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第三章 邂逅―1









―お前さえ、お前さえいなければ―
―そのような奇妙な術を使い、王を誑かした女狐め―
(違う、違うの。やめて)
 叫ぶ声は、女の金切り声にかき消される。
 広がる景色。そこにいるのは、優しい笑みを浮かべた女性。
―死んでおしまい、お前なんて―  

 暗転。


 白いシーツの上に不規則に流れる黒檀のような髪。
 そして、赤。
 目の前が真っ白になる。
 変わり果てた姿。
 そして彼女は、意識を失った。











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